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2-36 ワインの香りと沈む記憶 4

ผู้เขียน: 結城 芙由奈
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-10-31 18:58:31

『失礼いたしました』

一礼すると、司は会長室を後にした。

――パタン

静まり返った廊下には誰もいない。

司はカツカツと靴音を響かせながら、社長室に戻ると秘書の篠原が待っていた。

『お帰りなさいませ、社長』

『ああ』

司はデスクの席に座ると命じた。

『篠原。今すぐ白石建設の白石沙月について調べてくれ』

『白石建設の御令嬢……白石沙月様ですか?』

『そうだ。至急で頼む。……近いうちに彼女と結婚することになりそうだからな』

すると篠原の眉が上がる。

『……! それは確かに急いだほうが良さそうですね。では至急、社の調査部に伝えてまいります』

篠原は一礼すると、足早に社長を出て行った。

一人になると司はデスクに置かれたPCを立ち上げ、キーを叩いた。

【謝恩パーティー 出席者リスト】

検索窓に打ち込まれた文字は、すぐに出席者リストを表示させた。

『……』

司はリストに目を通し……眉をひそめる。

『妙だな……リスト客の中に、白石家なんて乗っていないぞ?』

出席企業一覧に、白石建設の名はなかった。

だが、記録映像には白石沙月の姿が残されている。

(招かれてもいないのに、なぜあの場にいた? まさか初めから俺を狙っていたのか? それとも……何か別の理由が……?)

疑問はやがて疑惑に代わる。

司は指先で軽くデスクを叩きながら、あの夜の出来事を再び回想した――

金曜の夜。

オレンジ色の明りが仄かに灯るあのスイートルームで司は熱に浮かされたかのように、沙月を抱いた。

熱を帯びた白い肌。

快感にうち震える細い肢体。

そして鼓膜を震わせる、甘い喘ぎ声……。

司は今まで数多くの女性を抱いてきたが、沙月のような反応を示す者は今までいなかった。

彼女は司に抱かれる前から理性を無くしていたのだ。

(あの反応……普通じゃなかった。あれは……絶対に媚薬に違いない。白石沙月は間違いなく媚薬を飲んでいた。そして、この俺も何者かに媚薬を……そうでなければ、あんな風に理性を失うものか)

沙月をベッドに引き入れた瞬間、僅かに残っていた理性が全て吹き飛んだ。

強引に服を脱がし、絹のような手触りの良い肌に口づけを落とす。

耳に残る、甘く震える声。

頬を赤らめ、潤んだ瞳で乱れる肢体。

『……美しかった』

その一言が、胸に湧き上がるもう一つの感情を大きく揺さぶる。

(いくら媚薬のせいとはいえ、あれほどまでに俺が欲望に飲ま
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